(屮゜Д゜)屮クレクレ新 聞
ディーエヌエーとグリー、敵は景気回復?
利用者がうなぎ登りの携帯電話ゲーム。「モバゲー」や「GREE」の広告をテレビで見かけない日はない。基本的には無料で楽しめるが、ゲームでより良い成績をあげるための有料「アイテム」販売に誘導する仕組みで、釣りざおや武器などの販売から得る利用料収入を増やし、業績拡大を続けている。ただ、死角はないのか。
14日に開いた日本テレビ放送網の決算説明会で印象的な場面があった。「ネットとテレビの共存は可能。テレビのコマーシャルの力が大きいと認識していただいた結果だ」。こう述べたのは営業担当の弘中喜通取締役。ネットサービスは従来、ネット上での広告や口コミで会員を広げてきたが、最近の交流サイトの会員増加はテレビ広告がけん引している。
ゲームが中心の交流サイトは、ディー・エヌ・エーの運営する「モバゲータウン」とグリーの運営する「GREE」が双へき。3月の会員数はそれぞれ1813万人と1843万人。1年前から35%、87%伸ばした。1カ月の増加幅は50~80万人程度で推移する。
テレビ広告費を大量につぎ込んでも、それ以上の成果があがり、業績を拡大している。ディーエヌエーの1~3月期連結純利益は前年同期の3.4倍の48億円、グリーの単独税引き利益は2.3倍の30億円だった。
では実際、携帯ゲームにお金を使っている人は誰なのか。ディエヌエーの内部データによると、高校生や大学生といった若年層が主力に思われるが、意外に30歳代の利用が多い。
モバゲーの会員で30代以上の比率は30%。3月に1人当たりサイト閲覧数は30代以上が最も多く、10代、20代を上回った。昨年9月を100として指数化したところ、30代以上は約7倍サイトを見た計算で、10代の2倍強、20代の4倍弱を大幅に上回った。ディーエヌエーの南場智子社長は「我々もびっくり」と話す。
グリーの業績拡大を支えたのも30代以上だ。会員全体に占める比率は43%に達する。テレビ広告にお笑いコンビのナインティナインを起用したのも、「所得が高い30代の会員比率を上げたい」(青柳直樹取締役)と考えてのことだ。
30代の会員は、休日や帰宅後だけでなく、仕事の合間、電車を待つ間、子育ての間といった時間をゲームに費やす。余暇やすき間の時間だ。
企業業績の回復が鮮明になってきている足元では、こうした時間が減り始めている兆候もある。厚生労働省が発表している勤労統計調査で、1~3月の所定外労働時間は前年同期を10%上回った。四半期ベースで前年同期を上回るのは2年ぶりのことだ。
リーマン・ショック後の経済停滞期では「外での娯楽や飲食にお金を費やすよりは、携帯ゲームが安価な暇つぶしとして選好された」(バークレイズ・キャピタル証券の米島慶一アナリスト)側面もある。
UBS証券の武田純人アナリストは「景気や消費の回復で可処分時間が減ることは、将来的な成長の阻害要因になりかねない」と指摘する。
「景気が良い時期にどうなるかはまだ経験ないので」。グリーの青柳取締役は成長持続に自信を示しつつもこう話す。高成長は暇つぶしに支えられたものだったのか、それともゲームの力ゆえか。いまひとつはっきりしなかったこの投資上の問いに、答えのようなものが出てくる局面が近いのかもしれない。
セブンイレブン、ぴあと共同で無料誌
セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブン―イレブン・ジャパンはチケット販売最大手のぴあと共同で無料誌「7ぴあ」を6月7日に発刊する。イベントや映像・音楽ソフト関連情報のほか、セブン&アイグループのネット通販情報などを掲載し、全国の約1万3千店で合計50万部(1部64ページ)を配布する。
セブン&アイとぴあは昨年12月に資本・業務提携した。セブンイレブンは6月1日から、ぴあが扱うチケットの店頭受け取り・支払いサービスを始めるのに合わせて無料誌を発刊する。10月以降は毎月刊行する方針だ。
内容を全国5地区に分けて発行。これまで北海道・東北や中国・九州向けの情報誌がなかったぴあにとっても、情報発信エリアが広がる。コンビニエンスストアを利用する幅広い世代を意識し、第1号は人気アイドルグループ「AKB48」のほか、歌手の矢沢永吉さんらのインタビュー記事を載せる。
セブンイレブンが無料誌を配布するのは初めて。初回の発行費用として数千万円を投入した。来店客が店頭の端末を利用してぴあのチケットを注文し、その場で受け取れるサービスは10月から実施する予定だ。
設備投資3年ぶり増加 10年度11%、製造業けん引
本社調査、新興国需要で海外中心に
日本経済新聞社がまとめた2010年度の設備投資動向調査によると、全産業の当初計画は09年度実績比11.0%増え、3年ぶりのプラスに転じた。自動車や電気機器が新興国の需要増を見込み、海外を中心に投資を増やす。一方で小売業など内需型産業は落ち込みが続き、全産業の総額は金融危機以前の07年度実績の約8割の水準にとどまった。回復に向かった企業の投資マインドは欧州財政不安や円高で再び冷え始めており、11年度はマイナスに転じる可能性もある。
集計の対象は回答のあった1721社から連結関係にある企業を除いた1472社。
10年度の設備投資の総額は23兆3547億円。1973年の調査開始以来、過去最大の落ち込みとなった09年度実績(21兆332億円)から2兆3215億円増えたが、直近の5年間では下から2番目の低水準だった。
業種別では製造業が17.3%増の12兆7969億円。製造業は17業種中、鉄鋼と造船、紙・パルプを除く14業種で09年度比プラスとなった。
09年度実績が08年度比55.5%減と大きく落ち込んだトヨタ自動車の10年度は27.8%の増額。自動車では設備投資の海外シフトが鮮明だ。トヨタは09年度に32%だった海外投資比率を41%に引き上げる。中国で大型工場の建設に踏み切るホンダも50%から67%に増やす。
今回の調査で海外での設備投資額を回答した818社の合計額は2兆2271億円に達し、09年度実績に比べ44.0%増加した。
一方、非製造業の設備投資額は10兆5578億円で、同4.3%増の小幅な伸びにとどまった。
次世代送配電網(スマートグリッド)関連の投資などを予定する電力が同17.7%増と大幅に伸びたが、大型店への投資を抑制するイオンが4割近く減らすなど、デフレ/下での消耗戦が続く小売業が14.3%減と全体を押し下げた。
11年度の設備投資計画を回答した603社の投資総額は、10年度の当初計画に比べ3.7%減少した。欧州財政不安などで景気の先行きを不安視する企業が増えている。
「ネット全履歴もとに広告」総務省容認 課題は流出対策
インターネットでどんなサイトを閲覧したかがすべて記録される。初めて訪れたサイトなのに「あなたにはこんな商品がおすすめ」と宣伝される――。そんなことを可能にする技術の利用に、総務省がゴーサインを出した。ネット接続業者(プロバイダー)側で、情報を丸ごと読み取る技術を広告に使う手法だ。だが、個人の行動記録が丸裸にされて本人の思わぬ形で流出してしまう危険もある。業者は今後、流出を防ぐ指針作りに入る。
この技術は「ディープ・パケット・インスペクション(DPI)」。プロバイダーのコンピューター(サーバー)に専用の機械を接続し、利用者がサーバーとの間でやりとりする情報を読み取る。どんなサイトを閲覧し、何を買ったか、どんな言葉で検索をかけたかといった情報を分析し、利用者の趣味や志向に応じた広告を配信する。
3D映画「アリス」、「アバター」より早い100億円突破 国内興行
4月17日に日本で公開された米3次元(3D)映画「アリス・イン・ワンダーランド」の興行収入が100億円を突破したことが日本映画製作者連盟の調べで分かった。公開から37日間での突破で、約50日かかった3D大作「アバター」(昨年12月公開)より早く大台を超えた。今年の公開作品の5月下旬時点で興収では、トップ3を3D作品が占めている。
同連盟が5月23日時点の興収(10億円以上の作品)を集計したところ、アリス・イン・ワンダーランドは約101億円。今年の公開作品の中で2位につけた。1位はアバターで約153億円。3位は「カールじいさんの空飛ぶ家」(47億円)と米3D映画がトップ3を独占した。4位には日本のアニメ映画「ワンピース フィルム ストロングワールド」(44億円)が入った。
米3D映画の人気を背景に、洋画の興収は約405億円と邦画を約120億円上回っている。3Dが洋画巻き返しの原動力になっている。
3D人気の広がりを受け、シネマコンプレックス(複合映画館)大手ではワーナー・マイカルが今夏までに全スクリーンの2割に当たる100スクリーンを3D対応にするなど、劇場側の3Dシフトも急速に進んでいる。
興収シェアで洋画は2008年から2年連続で邦画を下回っている。しかし年末にかけて洋画を中心に3Dの話題作が控えており、洋画の巻き返しが続く可能性が高い。
フジテレビ、CMにQRコード表示 クーポン券など配信
フジテレビジョンはテレビ画面上にQRコードを表示するCMを6月に始める。カメラ付き携帯電話で読み取ると、携帯のインターネット機能を通じてクーポン券などを入手できる仕組み。QRコードは主に雑誌やポスターで使われているが、テレビCMでも消費者の購入意欲を喚起する効果があると判断した。
第1弾として6月4日からフォーシーズ(東京・港)の宅配ピザ店「ピザーラ」のCMに活用。QRコードを読み取ると、2500円分のチケットが当たる抽選に参加できる。テレビ番組がプレゼントの応募などにQRコードを使う例はあるが、CMに使うのは珍しい。CM前に予告映像を2回流し、携帯電話の用意を促す。
関東地方7都県で特定の番組に付けて流す「タイム広告」に使い、広告収入をテコ入れする。放送業界は広告収入が低迷しており、広告主をひきつける効果的な手法を探っている。QRコード付きのCMを使えば、広告主がクーポン券や抽選券を配布するコストを削減できる効果もある。
ルノー、韓国・双竜自動車を買収の意向
【シンガポール=実森出】仏ルノーグループが経営破綻(はたん)した韓国の双竜自動車を買収する意向を明らかにしたと、韓国の朝鮮日報などが伝えた。
双竜の売却手続きの主幹事を務める証券会社に買収意向書を提出したという。双竜を巡っては韓国メーカーのほか、インドの商用車大手マヒンドラ&マヒンドラなど計7社が買収の意向を示しているといい、最大で5億ドル(約450億円)の争奪戦に発展する可能性が出てきた。
ルノーは韓国市場で現代、起亜自動車に次ぐ3位のシェア(市場占有率)を持つルノーサムスンを傘下に収めており、生産能力の増強を目指す狙いがあるという。買収に成功すれば、韓国の自動車業界の勢力図に影響を与える。ルノー・日産自動車は4月に独ダイムラーと包括的な資本・業務提携を結んでおり、規模拡大を目指している。
双竜は韓国5位の自動車メーカーだったが、2008年の金融危機で販売不振に陥り、資金繰りが悪化した。昨年1月に日本の会社更生法に相当する「法定管理」手続きに入っていたが、経営譲渡先が見つかっておらず、清算の危機に追い込まれている。
原油流出は「オバマのカトリーナ」? 鈍い対応、支持率低下…奇妙な符合
【ワシントン=渡辺浩生】南部メキシコ湾の原油流出事故が「オバマ大統領のカトリーナとなるのではないか」との見方が浮上している。深刻化する環境被害への対応が鈍いという批判を浴びていることが、2005年の大型ハリケーンへの初動の遅れから支持を失ったブッシュ前大統領を思い起こさせるという。
「私は最終的にこの危機を解決する責任を負う」。オバマ大統領は28日、2度目となるルイジアナ州の流出現場の視察をした。
4月20日の石油掘削基地の爆発事故以来、責任は採掘権を持つ英メジャー(国際石油資本)BPにあると言い続けてきた大統領。5週間が過ぎ突然、流出阻止と被害修復の先頭に立つと宣言した背景には、国民の信頼が急低下していることへの危機感がある。
メキシコ湾を直撃した05年夏の大型ハリケーン「カトリーナ」では、救援活動の遅れを厳しく批判され、当時のブッシュ大統領は支持率を大きく落とし政権失速の契機となった。
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利用者がうなぎ登りの携帯電話ゲーム。「モバゲー」や「GREE」の広告をテレビで見かけない日はない。基本的には無料で楽しめるが、ゲームでより良い成績をあげるための有料「アイテム」販売に誘導する仕組みで、釣りざおや武器などの販売から得る利用料収入を増やし、業績拡大を続けている。ただ、死角はないのか。
14日に開いた日本テレビ放送網の決算説明会で印象的な場面があった。「ネットとテレビの共存は可能。テレビのコマーシャルの力が大きいと認識していただいた結果だ」。こう述べたのは営業担当の弘中喜通取締役。ネットサービスは従来、ネット上での広告や口コミで会員を広げてきたが、最近の交流サイトの会員増加はテレビ広告がけん引している。
ゲームが中心の交流サイトは、ディー・エヌ・エーの運営する「モバゲータウン」とグリーの運営する「GREE」が双へき。3月の会員数はそれぞれ1813万人と1843万人。1年前から35%、87%伸ばした。1カ月の増加幅は50~80万人程度で推移する。
テレビ広告費を大量につぎ込んでも、それ以上の成果があがり、業績を拡大している。ディーエヌエーの1~3月期連結純利益は前年同期の3.4倍の48億円、グリーの単独税引き利益は2.3倍の30億円だった。
では実際、携帯ゲームにお金を使っている人は誰なのか。ディエヌエーの内部データによると、高校生や大学生といった若年層が主力に思われるが、意外に30歳代の利用が多い。
モバゲーの会員で30代以上の比率は30%。3月に1人当たりサイト閲覧数は30代以上が最も多く、10代、20代を上回った。昨年9月を100として指数化したところ、30代以上は約7倍サイトを見た計算で、10代の2倍強、20代の4倍弱を大幅に上回った。ディーエヌエーの南場智子社長は「我々もびっくり」と話す。
グリーの業績拡大を支えたのも30代以上だ。会員全体に占める比率は43%に達する。テレビ広告にお笑いコンビのナインティナインを起用したのも、「所得が高い30代の会員比率を上げたい」(青柳直樹取締役)と考えてのことだ。
30代の会員は、休日や帰宅後だけでなく、仕事の合間、電車を待つ間、子育ての間といった時間をゲームに費やす。余暇やすき間の時間だ。
企業業績の回復が鮮明になってきている足元では、こうした時間が減り始めている兆候もある。厚生労働省が発表している勤労統計調査で、1~3月の所定外労働時間は前年同期を10%上回った。四半期ベースで前年同期を上回るのは2年ぶりのことだ。
リーマン・ショック後の経済停滞期では「外での娯楽や飲食にお金を費やすよりは、携帯ゲームが安価な暇つぶしとして選好された」(バークレイズ・キャピタル証券の米島慶一アナリスト)側面もある。
UBS証券の武田純人アナリストは「景気や消費の回復で可処分時間が減ることは、将来的な成長の阻害要因になりかねない」と指摘する。
「景気が良い時期にどうなるかはまだ経験ないので」。グリーの青柳取締役は成長持続に自信を示しつつもこう話す。高成長は暇つぶしに支えられたものだったのか、それともゲームの力ゆえか。いまひとつはっきりしなかったこの投資上の問いに、答えのようなものが出てくる局面が近いのかもしれない。
セブンイレブン、ぴあと共同で無料誌
セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブン―イレブン・ジャパンはチケット販売最大手のぴあと共同で無料誌「7ぴあ」を6月7日に発刊する。イベントや映像・音楽ソフト関連情報のほか、セブン&アイグループのネット通販情報などを掲載し、全国の約1万3千店で合計50万部(1部64ページ)を配布する。
セブン&アイとぴあは昨年12月に資本・業務提携した。セブンイレブンは6月1日から、ぴあが扱うチケットの店頭受け取り・支払いサービスを始めるのに合わせて無料誌を発刊する。10月以降は毎月刊行する方針だ。
内容を全国5地区に分けて発行。これまで北海道・東北や中国・九州向けの情報誌がなかったぴあにとっても、情報発信エリアが広がる。コンビニエンスストアを利用する幅広い世代を意識し、第1号は人気アイドルグループ「AKB48」のほか、歌手の矢沢永吉さんらのインタビュー記事を載せる。
セブンイレブンが無料誌を配布するのは初めて。初回の発行費用として数千万円を投入した。来店客が店頭の端末を利用してぴあのチケットを注文し、その場で受け取れるサービスは10月から実施する予定だ。
設備投資3年ぶり増加 10年度11%、製造業けん引
本社調査、新興国需要で海外中心に
日本経済新聞社がまとめた2010年度の設備投資動向調査によると、全産業の当初計画は09年度実績比11.0%増え、3年ぶりのプラスに転じた。自動車や電気機器が新興国の需要増を見込み、海外を中心に投資を増やす。一方で小売業など内需型産業は落ち込みが続き、全産業の総額は金融危機以前の07年度実績の約8割の水準にとどまった。回復に向かった企業の投資マインドは欧州財政不安や円高で再び冷え始めており、11年度はマイナスに転じる可能性もある。
集計の対象は回答のあった1721社から連結関係にある企業を除いた1472社。
10年度の設備投資の総額は23兆3547億円。1973年の調査開始以来、過去最大の落ち込みとなった09年度実績(21兆332億円)から2兆3215億円増えたが、直近の5年間では下から2番目の低水準だった。
業種別では製造業が17.3%増の12兆7969億円。製造業は17業種中、鉄鋼と造船、紙・パルプを除く14業種で09年度比プラスとなった。
09年度実績が08年度比55.5%減と大きく落ち込んだトヨタ自動車の10年度は27.8%の増額。自動車では設備投資の海外シフトが鮮明だ。トヨタは09年度に32%だった海外投資比率を41%に引き上げる。中国で大型工場の建設に踏み切るホンダも50%から67%に増やす。
今回の調査で海外での設備投資額を回答した818社の合計額は2兆2271億円に達し、09年度実績に比べ44.0%増加した。
一方、非製造業の設備投資額は10兆5578億円で、同4.3%増の小幅な伸びにとどまった。
次世代送配電網(スマートグリッド)関連の投資などを予定する電力が同17.7%増と大幅に伸びたが、大型店への投資を抑制するイオンが4割近く減らすなど、デフレ/下での消耗戦が続く小売業が14.3%減と全体を押し下げた。
11年度の設備投資計画を回答した603社の投資総額は、10年度の当初計画に比べ3.7%減少した。欧州財政不安などで景気の先行きを不安視する企業が増えている。
「ネット全履歴もとに広告」総務省容認 課題は流出対策
インターネットでどんなサイトを閲覧したかがすべて記録される。初めて訪れたサイトなのに「あなたにはこんな商品がおすすめ」と宣伝される――。そんなことを可能にする技術の利用に、総務省がゴーサインを出した。ネット接続業者(プロバイダー)側で、情報を丸ごと読み取る技術を広告に使う手法だ。だが、個人の行動記録が丸裸にされて本人の思わぬ形で流出してしまう危険もある。業者は今後、流出を防ぐ指針作りに入る。
この技術は「ディープ・パケット・インスペクション(DPI)」。プロバイダーのコンピューター(サーバー)に専用の機械を接続し、利用者がサーバーとの間でやりとりする情報を読み取る。どんなサイトを閲覧し、何を買ったか、どんな言葉で検索をかけたかといった情報を分析し、利用者の趣味や志向に応じた広告を配信する。
3D映画「アリス」、「アバター」より早い100億円突破 国内興行
4月17日に日本で公開された米3次元(3D)映画「アリス・イン・ワンダーランド」の興行収入が100億円を突破したことが日本映画製作者連盟の調べで分かった。公開から37日間での突破で、約50日かかった3D大作「アバター」(昨年12月公開)より早く大台を超えた。今年の公開作品の5月下旬時点で興収では、トップ3を3D作品が占めている。
同連盟が5月23日時点の興収(10億円以上の作品)を集計したところ、アリス・イン・ワンダーランドは約101億円。今年の公開作品の中で2位につけた。1位はアバターで約153億円。3位は「カールじいさんの空飛ぶ家」(47億円)と米3D映画がトップ3を独占した。4位には日本のアニメ映画「ワンピース フィルム ストロングワールド」(44億円)が入った。
米3D映画の人気を背景に、洋画の興収は約405億円と邦画を約120億円上回っている。3Dが洋画巻き返しの原動力になっている。
3D人気の広がりを受け、シネマコンプレックス(複合映画館)大手ではワーナー・マイカルが今夏までに全スクリーンの2割に当たる100スクリーンを3D対応にするなど、劇場側の3Dシフトも急速に進んでいる。
興収シェアで洋画は2008年から2年連続で邦画を下回っている。しかし年末にかけて洋画を中心に3Dの話題作が控えており、洋画の巻き返しが続く可能性が高い。
フジテレビ、CMにQRコード表示 クーポン券など配信
フジテレビジョンはテレビ画面上にQRコードを表示するCMを6月に始める。カメラ付き携帯電話で読み取ると、携帯のインターネット機能を通じてクーポン券などを入手できる仕組み。QRコードは主に雑誌やポスターで使われているが、テレビCMでも消費者の購入意欲を喚起する効果があると判断した。
第1弾として6月4日からフォーシーズ(東京・港)の宅配ピザ店「ピザーラ」のCMに活用。QRコードを読み取ると、2500円分のチケットが当たる抽選に参加できる。テレビ番組がプレゼントの応募などにQRコードを使う例はあるが、CMに使うのは珍しい。CM前に予告映像を2回流し、携帯電話の用意を促す。
関東地方7都県で特定の番組に付けて流す「タイム広告」に使い、広告収入をテコ入れする。放送業界は広告収入が低迷しており、広告主をひきつける効果的な手法を探っている。QRコード付きのCMを使えば、広告主がクーポン券や抽選券を配布するコストを削減できる効果もある。
ルノー、韓国・双竜自動車を買収の意向
【シンガポール=実森出】仏ルノーグループが経営破綻(はたん)した韓国の双竜自動車を買収する意向を明らかにしたと、韓国の朝鮮日報などが伝えた。
双竜の売却手続きの主幹事を務める証券会社に買収意向書を提出したという。双竜を巡っては韓国メーカーのほか、インドの商用車大手マヒンドラ&マヒンドラなど計7社が買収の意向を示しているといい、最大で5億ドル(約450億円)の争奪戦に発展する可能性が出てきた。
ルノーは韓国市場で現代、起亜自動車に次ぐ3位のシェア(市場占有率)を持つルノーサムスンを傘下に収めており、生産能力の増強を目指す狙いがあるという。買収に成功すれば、韓国の自動車業界の勢力図に影響を与える。ルノー・日産自動車は4月に独ダイムラーと包括的な資本・業務提携を結んでおり、規模拡大を目指している。
双竜は韓国5位の自動車メーカーだったが、2008年の金融危機で販売不振に陥り、資金繰りが悪化した。昨年1月に日本の会社更生法に相当する「法定管理」手続きに入っていたが、経営譲渡先が見つかっておらず、清算の危機に追い込まれている。
原油流出は「オバマのカトリーナ」? 鈍い対応、支持率低下…奇妙な符合
【ワシントン=渡辺浩生】南部メキシコ湾の原油流出事故が「オバマ大統領のカトリーナとなるのではないか」との見方が浮上している。深刻化する環境被害への対応が鈍いという批判を浴びていることが、2005年の大型ハリケーンへの初動の遅れから支持を失ったブッシュ前大統領を思い起こさせるという。
「私は最終的にこの危機を解決する責任を負う」。オバマ大統領は28日、2度目となるルイジアナ州の流出現場の視察をした。
4月20日の石油掘削基地の爆発事故以来、責任は採掘権を持つ英メジャー(国際石油資本)BPにあると言い続けてきた大統領。5週間が過ぎ突然、流出阻止と被害修復の先頭に立つと宣言した背景には、国民の信頼が急低下していることへの危機感がある。
メキシコ湾を直撃した05年夏の大型ハリケーン「カトリーナ」では、救援活動の遅れを厳しく批判され、当時のブッシュ大統領は支持率を大きく落とし政権失速の契機となった。
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