(つд⊂)ゴシゴシ…新聞
iPodタッチ 携帯型ゲーム機でも日本勢攻略へ…新型機
米アップルが8日にも世界で発売する携帯音楽端末「iPod(アイポッド)タッチ」の新型機が、携帯型ゲーム機でも日本勢と激突する。新機能「ゲームセンター」は対戦ゲームが可能で、アップルのスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)は1日(米国時間)の説明会で「iPodタッチは世界一の携帯ゲームプレーヤー」と宣言した。携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」の任天堂、「プレイステーション・ポータブル(PSP)」のソニーは様子見だが、iPodタッチにゲームソフトの供給を表明するソフト開発会社が現れており、携帯型ゲーム機市場の争いは激化しそうだ。
「(アップルは)世界の携帯ゲーム市場の50%超のシェアがある。ゲームのダウンロード件数は15億回」。ジョブズCEOは何度も「驚きだ」と繰り返したうえ、DSとPSPを名指しし、携帯型ゲーム機としてiPodタッチが優位にあると印象づけた。
これまでもゲーム機能はあったiPodタッチに対戦機能を追加した意味は大きい。人気ゲーム「ドラゴンクエスト」でシリーズ最高の414万本を売ったスクウェア・エニックス社のDSソフト「ドラゴンクエスト9」は、無線機能で見知らぬ人と通信すると、ゲーム展開が深まる点がユーザーに評判だった。携帯電話専用のゲームサイト「モバゲータウン」や「グリー」も対戦型ゲームを売りにしており、iPodタッチと市場で真っ向からぶつかる。
世界の販売台数は、DSが累計1億3200万台(6月末時点)、PSPが6270万台(同)で、iPodタッチが3500万台(5月末時点)。しかし、アップルの対戦ゲーム機能は、多機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」や新型携帯端末「iPad(アイパッド)」にも組み込まれ、携帯型ゲームの土台として規模は大きい。既にソフト会社のスクウェア・エニックスやバンダイナムコ、カプコンはゲームを提供する方針。カプコンは「新たなゲーム人口を生み出すのはiPodタッチだ」とみて、ソフト供給を決断した。一方、「携帯電話と比べて画面が大きすぎ、携帯ゲーム機としての可能性は未知数だ」(市場アナリスト)という見方もある。
任天堂は「コメントはない」、ソニーも「アップルの発表を受けてゲーム事業での経営戦略を変更することはない」と静観の構えだ。
ただ、ゲーム機市場のビジネスモデルは、ゲーム機本体を安く売って、ソフトで利益を回収する。iPodタッチにまずソフトを供給する会社が増えれば、DSやPSP向けソフトの売れ行きは落ち、ビジネスモデル自体が揺らぐ。ジョブズCEOの宣言は、日本勢に大きな影を落としている。
サムスン、開発・設備投資2.2兆円 半導体に重点
11年15%増、高水準を維持
【ソウル=尾島島雄】韓国のサムスン電子は6日、2011年の設備投資と研究開発費の総額を10年見込み比で15%増となる30兆ウォン(約2兆2000億円)とする方向で調整に入ったと明らかにした。半導体メモリーへの巨額投資の継続が主因とみられる。サムスンがこの時期に翌年の投資額の見通しを固めるのは異例。デジタル製品市場の緩やかな回復と好調な決算を背景に経営判断のスピードが高まっていることを示している。
サムスンは10年に設備投資に18兆ウォン、研究開発に8兆ウォンをそれぞれ投じる計画。合計の26兆ウォンは前年比66%増で過去最大となる。設備投資のうち半導体が11兆ウォンを占め、DRAMやNAND型フラッシュメモリーなど半導体メモリーには9兆ウォンを振り向ける。
11年も引き続き、半導体で高水準の設備投資を維持する。5月に5年ぶりとなる半導体メモリーの新工場建設に着工しているほか、米テキサス州でシステムLSI(大規模集積回路)の新ラインの構築を開始しており、関連投資がかさむ見通しだ。
液晶パネルも10年に予定している5兆ウォンに近い水準を想定し、11年の投資計画の策定に入ったもよう。足元のパネル価格は弱含みだが、長期的には薄型テレビの世界市場の拡大が続き、基幹部品であるパネル需要が伸びると判断している。
NAND型フラッシュメモリーやDRAM、液晶パネルで大型投資に踏み切ることで世界シェア首位を堅持する。この3品目は東芝やエルピーダメモリ、韓国のハイニックス半導体、台湾の友達光電(AUO)などの生産量によって取引価格が大きく変動する。大型投資の大枠を先んじて示すことで、競合メーカーの動きをけん制する狙いもありそうだ。
女性ファッション誌:ハーパース・バザー休刊
月刊女性ファッション誌「ハーパース・バザー日本版」が10月28日発売の12月号で休刊すると、発行元のHBが6日、発表した。HBによると、約140年の歴史がある米女性ファッション誌の日本版として2000年に創刊。だが近年、不況の影響で広告や事業の収入が悪化したという。
携帯向け新放送、事業者選定 8日にも結論
総務省は6日、臨時の電波監理審議会(総務相の諮問機関)を7日に開くと発表した。2012年春にも始める携帯端末向け新放送の事業者選定を議論するとみられる。早ければ8日に予定している定例の電監審で結論を出す可能性もある。
新放送の基地局をつくるインフラ事業者を巡り、NTTドコモ陣営とKDDI陣営が1つの枠を競っている。総務省の審査が難航し、免許を与える事業者を内定しない異例の形で電監審に選定を任せる諮問をした。電監審は3日に非公開ヒアリングを開くなど、選定に向けた議論を急いでいる。
サイバーエージェント、仮想空間サービスを提供 米社と提携
インターネットサービス大手のサイバーエージェントは、中国オンラインゲーム大手の子会社でシリコンバレーに本拠を置く米モチメディア社(カリフォルニア州)と提携する。モチメディア社のゲーム配信サービスにサイバーが仮想空間ゲームを提供する。サイバーは、交流サイト世界最大手の米フェースブック(同)とも連携済み。世界の有力大手との提携を軸に自社サービスを海外展開する。
モチメディア社は、複数のゲームを束ねて提供するサービスを展開中で、月間利用者数は1億4千万人程度。今年初めに中国オンラインゲーム大手の盛大遊戯の傘下に入った。サイバーは、キャラクターを使って他のネット利用者との会話などを楽しむ仮想空間サービス「アメーバピコ」をモチメディア社に提供し、仮想空間内で使うアイテムなどを販売して収益を得る。
サイバーは海外向けサービスとして「アメーバピコ」を今年3月に開始。フェースブック経由での利用増で、現在の利用者数は200万人以上になった。モチメディア社へのサービス展開などで年内に総利用者500万人の獲得を目指す。
有機EL、長寿・大型化 「液晶の次」技術競う
テレビの次世代パネルとして有力視される有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)の研究開発が加速してきた。液晶より画質が良く、消費電力が少ない有機ELは「夢のパネル」と期待されながら、寿命を長くしたり画面を大きくしたりする技術が難しく、実用化が遅れてきた。コストの削減などなお課題は多いが、液晶の次と位置付けて商品化を急ぐ企業が増えそうだ。
旭硝子は有機ELパネルのガラス基板を接着する新材料を開発した。発光する有機EL素子を現状の15倍以上、長持ちさせることができる。有機ELパネルの耐用年数を現在の2~3年から、液晶並みの10年程度に延ばせるという。
水と酸素が大敵
新材料はガラスを10マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル以下に細かく砕いて有機溶剤と混ぜる。ガラスの特性を保ち、現在使われている樹脂製の封止材に比べ、素子の寿命を縮める水分や酸素の侵入を抑える。
素子そのものの寿命を延ばす研究も進んでいるが、「現在ある素子を使っても液晶パネルと同程度の寿命が実現できる」(旭硝子)としている。2011年から量産を始め、20年には50億円の売上高を目指す。
有機ELパネルを使った薄型テレビはソニーが07年12月に世界で初めて発売した。画面サイズは11型。現在、市販されているものでは韓国LG電子の15型が最も大きい。リビングルームで楽しめるような30型以上の画面にする大型化技術も課題となってきた。
ソニーは有機ELパネルの発光を制御するトランジスタに、酸化物半導体を使う新技術を開発した。従来の製法では、シリコンの多結晶化などの工程が障害となり、大画面化に限界があった。新しい半導体は液晶パネルと同じ工程で製造できるのが特徴で、30型以上の実用化をめざす。
大型パネルの量産技術の研究も進む。有機ELパネルの製造は、発光材料を気化させて基板に付ける「蒸着」が主流だが、大型パネルを作るには印刷技術を応用する「塗布」が有力とされる。
住友化学は、この塗布型の製造方法に使う「高分子型有機EL」の開発を進めている。07年に高分子型の技術で先行していた英国のベンチャー企業を買収した。パナソニックと共同で、世界初となる40型以上の大型パネルの試作機を10年度中にもつくり、12~13年の量産を目指している。
米調査会社のディスプレイサーチによると、2009年の有機ELパネルの市場規模は8億ドル。14年には5倍以上の44億ドルに伸びると予測している。当面は携帯電話向けが中心となる見込み。大画面の有機ELテレビ市場が本格的に立ち上がるのは「14年ごろになる」(同社)との見方が強い。
携帯機器向けの有機ELパネルでは韓国サムスンモバイルディスプレーが先行している。世界シェア1位の同社は、「5.5世代」と呼ぶ有機ELでは最も大きなガラス基板を使ったパネルの生産ラインを建設中。投資額は2兆5000億ウォン(約1800億円)で、11年7月の量産を目指している。
サムスン電子は多機能携帯電話(スマートフォン)などへの採用を進めつつ、有機ELテレビに参入する戦略とみられる。LG電子も有機ELテレビの大型化を急いでおり、日韓メーカーの開発競争が激しくなりそうだ。
バンダイやタカラトミー、アジアで専門売り場拡大
玩具メーカー大手がアジアで自社商品を専門に扱う売り場を相次ぎ展開する。タカラトミーは10日、主力のミニカー、トミカの専門売り場を台湾に開設。バンダイは韓国でガンダムのプラモデルを販売する専門売り場を増やす。独自の売り場で品ぞろえを充実し、米大手メーカーなどに対抗する。
タカラトミーは10日、台北市の百貨店内に面積60平方メートルの店舗を開く。トミカ約200種類のほか、トミカ柄の弁当箱など、日本で販売するライセンス商品400種類も海外で初めて販売する。まずトミカの認知度が比較的高い台湾で展開し、中国などにも広げていく計画。5年以内にアジアに計5店を出す方針だ。
バンダイは韓国の家電量販大手に、ガンダムのプラモデルを扱う面積130平方メートル程度の店を昨年から出している。現在は5カ所だが、2012年3月期に倍増させる。
ソニー銀、外貨預金で攻勢 15年ぶり円高水準、各社値下げ合戦
15年ぶりの水準に到達した円高を背景にソニー銀行が外貨預金で攻勢をかけている。ソニー銀は5月から、米国の雇用統計発表日に外貨預金の手数料を10銭まで引き下げるキャンペーンを実施。口座開設や取引件数が通常の2倍に達する成果を上げている。その他のインターネット銀行でも同様の動きが拡大中で、日銀によると、7月末時点の銀行での外貨預金残高は過去最高を更新した。強い円をいかして資産運用しようという思惑がこれまで以上に膨らんでいるようだ。
ソニー銀行は5月から、ドル円相場が動きやすい米雇用統計が発表される日に限って、手数料を引き下げるキャンペーンを行っている。メガバンクは1ドル(約85円)の取引に1円の手数料を取るのが普通だが、ソニー銀は通常の手数料がわずか25銭。キャンペーン日はそれをさらに10銭に引き下げている。
「資産運用に関心がある利用者に外貨預金を始めてもらうきっかけにしてもらうと同時に、相場が動きやすい日であることを周知して、取引の判断材料にしてもらう」(ソニー銀)ことが狙い。この作戦が功を奏して、キャンペーン日は口座の開設や取引件数が通常の日の2倍になるという。
同様の動...
米アップルが8日にも世界で発売する携帯音楽端末「iPod(アイポッド)タッチ」の新型機が、携帯型ゲーム機でも日本勢と激突する。新機能「ゲームセンター」は対戦ゲームが可能で、アップルのスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)は1日(米国時間)の説明会で「iPodタッチは世界一の携帯ゲームプレーヤー」と宣言した。携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」の任天堂、「プレイステーション・ポータブル(PSP)」のソニーは様子見だが、iPodタッチにゲームソフトの供給を表明するソフト開発会社が現れており、携帯型ゲーム機市場の争いは激化しそうだ。
「(アップルは)世界の携帯ゲーム市場の50%超のシェアがある。ゲームのダウンロード件数は15億回」。ジョブズCEOは何度も「驚きだ」と繰り返したうえ、DSとPSPを名指しし、携帯型ゲーム機としてiPodタッチが優位にあると印象づけた。
これまでもゲーム機能はあったiPodタッチに対戦機能を追加した意味は大きい。人気ゲーム「ドラゴンクエスト」でシリーズ最高の414万本を売ったスクウェア・エニックス社のDSソフト「ドラゴンクエスト9」は、無線機能で見知らぬ人と通信すると、ゲーム展開が深まる点がユーザーに評判だった。携帯電話専用のゲームサイト「モバゲータウン」や「グリー」も対戦型ゲームを売りにしており、iPodタッチと市場で真っ向からぶつかる。
世界の販売台数は、DSが累計1億3200万台(6月末時点)、PSPが6270万台(同)で、iPodタッチが3500万台(5月末時点)。しかし、アップルの対戦ゲーム機能は、多機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」や新型携帯端末「iPad(アイパッド)」にも組み込まれ、携帯型ゲームの土台として規模は大きい。既にソフト会社のスクウェア・エニックスやバンダイナムコ、カプコンはゲームを提供する方針。カプコンは「新たなゲーム人口を生み出すのはiPodタッチだ」とみて、ソフト供給を決断した。一方、「携帯電話と比べて画面が大きすぎ、携帯ゲーム機としての可能性は未知数だ」(市場アナリスト)という見方もある。
任天堂は「コメントはない」、ソニーも「アップルの発表を受けてゲーム事業での経営戦略を変更することはない」と静観の構えだ。
ただ、ゲーム機市場のビジネスモデルは、ゲーム機本体を安く売って、ソフトで利益を回収する。iPodタッチにまずソフトを供給する会社が増えれば、DSやPSP向けソフトの売れ行きは落ち、ビジネスモデル自体が揺らぐ。ジョブズCEOの宣言は、日本勢に大きな影を落としている。
サムスン、開発・設備投資2.2兆円 半導体に重点
11年15%増、高水準を維持
【ソウル=尾島島雄】韓国のサムスン電子は6日、2011年の設備投資と研究開発費の総額を10年見込み比で15%増となる30兆ウォン(約2兆2000億円)とする方向で調整に入ったと明らかにした。半導体メモリーへの巨額投資の継続が主因とみられる。サムスンがこの時期に翌年の投資額の見通しを固めるのは異例。デジタル製品市場の緩やかな回復と好調な決算を背景に経営判断のスピードが高まっていることを示している。
サムスンは10年に設備投資に18兆ウォン、研究開発に8兆ウォンをそれぞれ投じる計画。合計の26兆ウォンは前年比66%増で過去最大となる。設備投資のうち半導体が11兆ウォンを占め、DRAMやNAND型フラッシュメモリーなど半導体メモリーには9兆ウォンを振り向ける。
11年も引き続き、半導体で高水準の設備投資を維持する。5月に5年ぶりとなる半導体メモリーの新工場建設に着工しているほか、米テキサス州でシステムLSI(大規模集積回路)の新ラインの構築を開始しており、関連投資がかさむ見通しだ。
液晶パネルも10年に予定している5兆ウォンに近い水準を想定し、11年の投資計画の策定に入ったもよう。足元のパネル価格は弱含みだが、長期的には薄型テレビの世界市場の拡大が続き、基幹部品であるパネル需要が伸びると判断している。
NAND型フラッシュメモリーやDRAM、液晶パネルで大型投資に踏み切ることで世界シェア首位を堅持する。この3品目は東芝やエルピーダメモリ、韓国のハイニックス半導体、台湾の友達光電(AUO)などの生産量によって取引価格が大きく変動する。大型投資の大枠を先んじて示すことで、競合メーカーの動きをけん制する狙いもありそうだ。
女性ファッション誌:ハーパース・バザー休刊
月刊女性ファッション誌「ハーパース・バザー日本版」が10月28日発売の12月号で休刊すると、発行元のHBが6日、発表した。HBによると、約140年の歴史がある米女性ファッション誌の日本版として2000年に創刊。だが近年、不況の影響で広告や事業の収入が悪化したという。
携帯向け新放送、事業者選定 8日にも結論
総務省は6日、臨時の電波監理審議会(総務相の諮問機関)を7日に開くと発表した。2012年春にも始める携帯端末向け新放送の事業者選定を議論するとみられる。早ければ8日に予定している定例の電監審で結論を出す可能性もある。
新放送の基地局をつくるインフラ事業者を巡り、NTTドコモ陣営とKDDI陣営が1つの枠を競っている。総務省の審査が難航し、免許を与える事業者を内定しない異例の形で電監審に選定を任せる諮問をした。電監審は3日に非公開ヒアリングを開くなど、選定に向けた議論を急いでいる。
サイバーエージェント、仮想空間サービスを提供 米社と提携
インターネットサービス大手のサイバーエージェントは、中国オンラインゲーム大手の子会社でシリコンバレーに本拠を置く米モチメディア社(カリフォルニア州)と提携する。モチメディア社のゲーム配信サービスにサイバーが仮想空間ゲームを提供する。サイバーは、交流サイト世界最大手の米フェースブック(同)とも連携済み。世界の有力大手との提携を軸に自社サービスを海外展開する。
モチメディア社は、複数のゲームを束ねて提供するサービスを展開中で、月間利用者数は1億4千万人程度。今年初めに中国オンラインゲーム大手の盛大遊戯の傘下に入った。サイバーは、キャラクターを使って他のネット利用者との会話などを楽しむ仮想空間サービス「アメーバピコ」をモチメディア社に提供し、仮想空間内で使うアイテムなどを販売して収益を得る。
サイバーは海外向けサービスとして「アメーバピコ」を今年3月に開始。フェースブック経由での利用増で、現在の利用者数は200万人以上になった。モチメディア社へのサービス展開などで年内に総利用者500万人の獲得を目指す。
有機EL、長寿・大型化 「液晶の次」技術競う
テレビの次世代パネルとして有力視される有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)の研究開発が加速してきた。液晶より画質が良く、消費電力が少ない有機ELは「夢のパネル」と期待されながら、寿命を長くしたり画面を大きくしたりする技術が難しく、実用化が遅れてきた。コストの削減などなお課題は多いが、液晶の次と位置付けて商品化を急ぐ企業が増えそうだ。
旭硝子は有機ELパネルのガラス基板を接着する新材料を開発した。発光する有機EL素子を現状の15倍以上、長持ちさせることができる。有機ELパネルの耐用年数を現在の2~3年から、液晶並みの10年程度に延ばせるという。
水と酸素が大敵
新材料はガラスを10マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル以下に細かく砕いて有機溶剤と混ぜる。ガラスの特性を保ち、現在使われている樹脂製の封止材に比べ、素子の寿命を縮める水分や酸素の侵入を抑える。
素子そのものの寿命を延ばす研究も進んでいるが、「現在ある素子を使っても液晶パネルと同程度の寿命が実現できる」(旭硝子)としている。2011年から量産を始め、20年には50億円の売上高を目指す。
有機ELパネルを使った薄型テレビはソニーが07年12月に世界で初めて発売した。画面サイズは11型。現在、市販されているものでは韓国LG電子の15型が最も大きい。リビングルームで楽しめるような30型以上の画面にする大型化技術も課題となってきた。
ソニーは有機ELパネルの発光を制御するトランジスタに、酸化物半導体を使う新技術を開発した。従来の製法では、シリコンの多結晶化などの工程が障害となり、大画面化に限界があった。新しい半導体は液晶パネルと同じ工程で製造できるのが特徴で、30型以上の実用化をめざす。
大型パネルの量産技術の研究も進む。有機ELパネルの製造は、発光材料を気化させて基板に付ける「蒸着」が主流だが、大型パネルを作るには印刷技術を応用する「塗布」が有力とされる。
住友化学は、この塗布型の製造方法に使う「高分子型有機EL」の開発を進めている。07年に高分子型の技術で先行していた英国のベンチャー企業を買収した。パナソニックと共同で、世界初となる40型以上の大型パネルの試作機を10年度中にもつくり、12~13年の量産を目指している。
米調査会社のディスプレイサーチによると、2009年の有機ELパネルの市場規模は8億ドル。14年には5倍以上の44億ドルに伸びると予測している。当面は携帯電話向けが中心となる見込み。大画面の有機ELテレビ市場が本格的に立ち上がるのは「14年ごろになる」(同社)との見方が強い。
携帯機器向けの有機ELパネルでは韓国サムスンモバイルディスプレーが先行している。世界シェア1位の同社は、「5.5世代」と呼ぶ有機ELでは最も大きなガラス基板を使ったパネルの生産ラインを建設中。投資額は2兆5000億ウォン(約1800億円)で、11年7月の量産を目指している。
サムスン電子は多機能携帯電話(スマートフォン)などへの採用を進めつつ、有機ELテレビに参入する戦略とみられる。LG電子も有機ELテレビの大型化を急いでおり、日韓メーカーの開発競争が激しくなりそうだ。
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玩具メーカー大手がアジアで自社商品を専門に扱う売り場を相次ぎ展開する。タカラトミーは10日、主力のミニカー、トミカの専門売り場を台湾に開設。バンダイは韓国でガンダムのプラモデルを販売する専門売り場を増やす。独自の売り場で品ぞろえを充実し、米大手メーカーなどに対抗する。
タカラトミーは10日、台北市の百貨店内に面積60平方メートルの店舗を開く。トミカ約200種類のほか、トミカ柄の弁当箱など、日本で販売するライセンス商品400種類も海外で初めて販売する。まずトミカの認知度が比較的高い台湾で展開し、中国などにも広げていく計画。5年以内にアジアに計5店を出す方針だ。
バンダイは韓国の家電量販大手に、ガンダムのプラモデルを扱う面積130平方メートル程度の店を昨年から出している。現在は5カ所だが、2012年3月期に倍増させる。
ソニー銀、外貨預金で攻勢 15年ぶり円高水準、各社値下げ合戦
15年ぶりの水準に到達した円高を背景にソニー銀行が外貨預金で攻勢をかけている。ソニー銀は5月から、米国の雇用統計発表日に外貨預金の手数料を10銭まで引き下げるキャンペーンを実施。口座開設や取引件数が通常の2倍に達する成果を上げている。その他のインターネット銀行でも同様の動きが拡大中で、日銀によると、7月末時点の銀行での外貨預金残高は過去最高を更新した。強い円をいかして資産運用しようという思惑がこれまで以上に膨らんでいるようだ。
ソニー銀行は5月から、ドル円相場が動きやすい米雇用統計が発表される日に限って、手数料を引き下げるキャンペーンを行っている。メガバンクは1ドル(約85円)の取引に1円の手数料を取るのが普通だが、ソニー銀は通常の手数料がわずか25銭。キャンペーン日はそれをさらに10銭に引き下げている。
「資産運用に関心がある利用者に外貨預金を始めてもらうきっかけにしてもらうと同時に、相場が動きやすい日であることを周知して、取引の判断材料にしてもらう」(ソニー銀)ことが狙い。この作戦が功を奏して、キャンペーン日は口座の開設や取引件数が通常の日の2倍になるという。
同様の動...
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